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 四方を山々に囲まれた会津盆地の北西に位置している喜多方市。その会津盆地を形成する北の一辺を担っているのが、喜多方の酒の源「飯豊連峰」です。
 秋の実りの時期に真っ白な雪化粧を始める飯豊山は、初夏までその雪を残し、雪解け水はゆっくり時間をかけて平地へと注いできます。喜多方市はその良質な伏流水を使った味噌・醤油・清酒の醸造業が盛んで、中でも清酒醸造蔵数は人口比で全国トップクラスという酒処でもあります。全国新酒鑑評会や福島県の鑑評会、さらには世界的なコンテストでも多数の受賞歴を誇る喜多方の酒は、地元だけでなく全国的にも頷ける美味しさです。
 今晩は喜多方の地酒で一杯、いかがですか?

喜多方の酒の歴史

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 喜多方の清酒醸造の歴史を見てみると、古くは寛永8年(1631)から営んでおり、多い時には約30軒近い酒蔵が存在していました。地方の有力商人が中心となって酒造りを行っていた喜多方ですが、会津藩からの庇護が少なく景気の影響にも大きく左右されたことから、独自の酒造り気質が醸成されました。米問屋が集中していた小荒井・小田付地区には現在も酒蔵が多くあり、喜多方全体では11蔵元がその歴史と技術を脈々と受け継ぎ、喜多方の美味しい酒を造り続けています。
 明治37年(1904)、岩越鉄道が喜多方まで開通したことを受け、それまで地元消費が大半を占めていた販路も、北は青森、西は大阪市場まで大幅に拡大していきます。
 全国有数の酒処「喜多方」。豊かな水と米、杜氏の確かな技と歴史が育んだ喜多方の地酒が、今日も多くの方の舌を楽しませてくれることでしょう。

良質な仕込み水

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 喜多方の美味しい酒の決め手は、飯豊山の伏流水を存分に使った「仕込み水」です。秋口から飯豊山に降り積もった大量の雪は、じっくりと時間をかけて地層に染み渡り、まろやかさと甘みを含んだ良質な「軟水」となって市内へと流れ込みます。中でも「栂峰渓流」の水は、環境省が定める平成の名水百選にも選ばれました。
 この良質な軟水はミネラルバランスが非常に良く酒造りに適しており、仕込み水に使用することで穏やかな発酵を促し、やわらかくふくよかな味わいを醸し出します。同じ軟水を仕込み水とする新潟の淡麗辛口の酒と比べ、硬度が約半分程度しかない喜多方の水で仕込まれた酒は、喉越しはスッキリとしていながらも甘味と旨味が強い、どこか女性的で優しい口当たりが特徴の仕上がりとなります。

酒造りに適した環境

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 喜多方の清酒醸造に欠かせない良質な伏流水を生み出す冬の寒さと豪雪もまた、酒造りには大事な要素の1つです。しんしんと降り積もる雪は空気中のチリやホコリを取り除き、醸造の天敵である雑菌の繁殖も防いでくれます。蔵の屋根に積もった雪は室内温度を低温に保つ働きをするため、もろみの穏やかな発酵を促します。
 また、盆地特有の蒸し暑い夏の暑さの中でも、低温を保つ蔵の中で貯蔵することで丸みと深い味わいを生み出します。
 このように、長期低温発酵に適した環境・良質で豊富な伏流水がある喜多方は、酒造りに最適の土地なのです。

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